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2016年12月11日日曜日

読了メモ「空飛ぶ男 サントス−デュモン」ナンシー・ウィンターズ



読了。

知らなかった。
人類の飛行史の中で著名な人物と言って思い浮かぶのは、
ライト兄弟、リンドバーグくらい。

彼らにまつわる話を読んでいるわけではないので
比べるのはどうかと思うけれど、
普段はもちろん、飛行の時でも襟の高いシャツをきて
ヒゲを生やしたオシャレないでたち。
当時は空を飛ぶというだけで、世間の注目を一手に集めるのに
それを気にも止めないかのような自分のスタイルで
颯爽とやりすごす様はなかなかイカすのです。
うん、かっこいい。

それは、外見だけではない。
彼は飛行中の時間を知るために、
世界初の腕時計をあのカルティエと作ってしまう。
そしてそれが今でもブランドとしてしっかり息づいている。
値段もすごいのだけれど、こういう形で古の飛行家の意思が
時代を超えて継がれているのは尊ささえも感じるものです。

また、自らの製作した気球、飛行船、飛行機についての
特許権は全て放棄していたそうです。
空はみんなのもの、独り占めにできるものではない、
大空を滑空するのは全人類の持つ夢ということなのでしょうか。

ただ、人類はその飛行の技術を使って戦争に突入します。
飛行機を使って都市を破壊し、多くの人の命を奪っていく。
いたたまれなくなったサントスは鬱病になり、自らの命を絶ってしまう。


最後のサントスの悲劇を読みおえた時、
ちょうどノーベル賞の授賞式のニュースもあって思ったのです。
だれも人を殺すために、未知の発見や技術の開発に寝食を忘れ、
汗水たらして新しい産業を興したりするのではないでしょう。
人類の叡智はまだまだ使いきれていないと。

ちなみに、サントスが最初に作った気球には
日本産の絹と竹が使われたそうです。

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空飛ぶ男 サントス−デュモン
ナンシー・ウィンターズ
草思社 2001年
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