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2017年2月5日日曜日

読了メモ「あたらしい結婚日記」服部みれい



読了。

普通、他人の日記を読むなんてことはありえないので
こうやって書籍になってはいても不思議な感覚になる。
公になっているにも関わらず隠れて読んでいる気になるせいか、
書かれているその話の中にするりと入り込んでしまう。
この本を企画した人はそんなことも考えていたのかもなと思いながら。

この本は、とある古本市のイベントで手にしたのだけれど
その店主の女性は、
「この本を読んで自分には彼氏ができたんですよ!」
と言っていたのである。
へぇ〜、そんなこともあるのかぁ〜と、
そのプロセスにこの本がどんな風に関わっていったのだろうと
興味津々で手に取った記憶がある。

 
仕事のこと、仲間のこと、そして伴侶となる人のことなどから
自分の気持ち、覚悟、心の移ろいがわかる。
世間の事象への解釈は、読みようによってはご都合主義かもしれない。
でもいいのです、それでも。だって日記なのだから。
そして、そこにはある種のスピリチュアルな印象も受けます。
著者も当初は忌避していた精神論や
自己改革などのワーディングにいつの間にか向き合うようになり、
自分の考え方をしっかりと確立していっているのがわかります。

また、そんな日記の合間に、日付のない短いエッセイが挟みこまれています。
一人相撲の日記をいい塩梅でカバーしている構成もうまいです。

後半の結婚に向けての日記は素晴らしいというか、
二人がとても仲が良く似合っていて羨ましい限り。
相手や家族のこと、そして自分にとても素直に
思い合っていることがわかります。

きっと、あの女性店主も本書からそんな何かを感じとって
新しい彼氏と話をすることができたのでしょう。
それがいったいどんなことだったのかについては、
年嵩の行ったおっさんには、はるか遠い世界のお話ですが、
日記の中に自分の知ってる古本屋が何軒か出てきて、
ふふ〜ん、そんなことがあのお店であったんだぁ...なんて
そんなところはとても身近に感じたことは確かです。

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あたらしい結婚日記
服部みれい
大和書房 2013年





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