読了。
去年、同じ著者のこちらの本を読んでいたので
またまたディープな熱い世界に連れていってくれると思っていたら
実はこれが意外とそうでもなかった。
トーンとしてはちょっと寂しさ、旅愁がある。
あまりにも「鉄」の世界が男ばかりだからなのか。
その男どもといえば、全国的にチェックのネルシャツにメガネに綿パン。
それでもやはり、彼女の行動力には目を見張る。
カメラを片手にホームで陣取るよりは「乗り鉄」な著者。
全駅を制覇する夢は必ずや達成されるのでしょう。
リニア試乗のドキドキ感を読んでいると
次の体験試乗がいつなのかと思わず検索してしまっていたのでした。
その昔、自分も下北半島や中国地方に各駅停車だけで行ったことがあったりで
ああ〜同じ血が流れているのだきっとと妙な仲間意識も覚えてしまう。
鉄道発祥の地 ロンドンでも鉄道に乗り、荘厳な駅舎に興奮するわけで
そこで自分も欲しくなったのは「TRAINSPOTTER」のパーカー。
色はモスグリーンがいいなぁ、いっそ作っちゃおうかなぁ
なんて妄想も広がります。
社会的な切り口もありました。
それは女性専用車両に関する考察。
痴漢対策とうことですが、あまりに対症療法で
根本的解決には至っていない実態をとりあげつつ、
女性しかいない車両の中で繰り広げられる人間模様のくだりは
男にとっては新鮮かつ不可侵な世界なのでした。
最後に身近な鉄道の一つである山手線の豆知識を。
内回りより外回りのレールの方が28メートル長く、
車輪の磨耗が偏らないように車両は内回りと外回りを
1週間で同じ回数だけ走るんだそうです。
それにしても、ああいいなぁ、
寝台列車とかにまた乗りたくなるよなぁ。
女子と鉄道
酒井順子
光文社 2006年
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