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2020年3月5日木曜日

読了メモ「お伽草紙」 太宰 治




読了。

太宰さんの本ですけれど
もともとの内容は、古典や民話。
それを、太宰 治流に現代語訳してくれて
オリジナルな解釈をつけて
話を盛り上げてくれています。

井原西鶴の作品からの新釈諸国噺などは
単なる現代語への直訳というものではなく
どことなく人間とは何か
生きることはどういうことなのかなんて
テーマが浮き出てくるようです。

また、読んでいると五七調の語呂がよく、
黙読しているのに、口の中で
文章がコロコロと転がっていくようで
これもまた古典をベースにしながらも
読みやすくさせている要素です。


後半は、タイトルにもなっている
お伽草紙で、みなさんよくご存知の
瘤とり爺さん、浦島太郎、カチカチ山、舌切り雀
が連なります。

どれも面白い。
太宰さん特有の見解・解説が盛り込まれていて
子どもの頃に読み聞かされた話や
メッセージとはまた違う面を見せてくれます。
自分としては、浦島太郎が秀逸だったかな。

今まで思っていた太宰 治像を
またまた変えてくれた一冊です。

古典や民話がベースなので、
ちょっとクセのあるところはあるけれど
まぁそれはやむを得ません。
その分とても面白かったですよ。

お時間のある方は是非。

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お伽草紙
太宰 治
新潮社 2019年



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