2017年12月10日日曜日

読了メモ 「「自由」のすきま」 鷲田清一



読了。

哲学エッセイ。
装丁のカバー写真は植田正治。

タイトルは「自由」のすきまだけれど、
勝手に解釈すると「自分」のすきま 
と言い換えられるかもしれない。

哲学の本となると、ひねくれや説教じみた話を
連想しがちになるが、はたして本書はそんなことはない。

自分のこと、子供のこと、本のこと、偉いということ
世間を揺るがした大事件やそれを報じるマスコミのこと、
そんなあれこれを、著者流の視点で眺めなおし
新しい気づきを教えてくれる。
ひとことで言えばとてもやさしい。

例えば、「自分らしさ」とはなにか。
自分らしさに気づくとはどういうことなのか。
気づいた後の自分って一体何なのか。
気づいてどうするのか。
堂々巡りかもしれないけれど、
一考の価値のあるテーマだと思います。

後半は、著者の日常生活の一端を語っているパートがあり、
そこに出てくる二匹の柴犬がいい。
それまでのいろいろ考えさせられてきたテーマが
やわらんでいくような安らぎを二匹が教えてくれます。

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「自由」のすきま
鷲田清一
角川学芸出版 2014年

2017年11月26日日曜日

読了メモ 「ラーメンの語られざる歴史 世界的なラーメンブームは日本の政治危機から生まれた」 ジョージ・ソルト



読了。

前書に続いて「食」に関する本だけど
趣向も内容も全然違う。
日本のラーメンの歴史を外国人が書いている。

日本で最初にラーメンを食べたのは、徳川光圀公とあった。
天下の副将軍が日本で食べ始めたこのメニューが、
その後、国内の労働者、若者たちのエネルギー源となっていくのだ。

当初、「支那ソバ」と呼ばれていたラーメン。
のちに「中華そば」と名前を変えていくが、
その途中にあったのは第二次世界大戦である。
大量のアメリカ産小麦の国内への支給による
米国の食料政策のプレッシャーと都市に広がる闇市の波にのって、
ラーメンは瞬く間に若年層の主食となっていく。

本書はそんな歴史を綴りながら、
全体の3分の1近くを割いて
ある種の特別なラーメンの話を掘り下げている。
日清食品をはじめとした
インスタントラーメンの話である。
ただ、ここにもアメリカ製輸入小麦を
いかにインスタントラーメン化するかの話が
厚生労働省の記録に残っていたりするのも複雑な思いがする。

カップヌードルを全国民の目に焼き付けたのが
野営する自衛官が食べていた浅間山荘事件であったり
一方で、「中華三昧」や「楊夫人」「中華飯店」などの
高級中華料理をイメージしてインスタントラーメンを
売り込んでいたことを懐かしく思い出した。




今でこそ、こだわりの職人や師匠ともよばれそうな
強面の主人が作るラーメン屋に行列ができている。
材料にも国内産にこだわり本書に登場するようなラーメンではもはやない。

自分の家の近所のラーメン屋のスープもみんな濁っている。
子どもの頃よく父親と食べた、薄い醤油味で、茹でたホウレンソウがのっていて
シナチクとナルトの入っていた屋台のラーメンが食べたいのだが、
そのようなラーメンにはめっきりおめにかかれなくなってしまった。

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ラーメンの語られざる歴史 世界的なラーメンブームは日本の政治危機から生まれた
ジョージ・ソルト(野下祥子 訳)
国書刊行会








2017年11月7日火曜日

読了メモ「トラブル クッキング」 群 ようこ



読了。

電車内で読んではいけないおなじみのやつである。
一人ニヤニヤして読んでいると周りのひとから怪訝な顔をされる。
それでよければよいけれど。

著者はばっちり同じ世代。
著者近影では割烹着の似合うおばちゃんになっていた。

そういう自分は、料理はほとんどしない。
昔は、カレーライスくらいは材料から買ってきて作ったことはあったが
最近はとんとそんなことはない。
カミさんの牙城を崩すわけにはいかないのだ。
最近は、体調のせいもあって、ほとんど褒め殺しに近い状態にある。
ありがとう。

さて、本書ではいろいろな料理にチャレンジするわけで
どれもなかなかうまくいきそうである。
毎度、今度は大丈夫と思い込みも激しい。
しかし、あと一手間というところで
「まぁ大丈夫だろう」
「これくらいなら仕方ない」
「他の材料で代用するか」
という心理が働き、大きな不満の残る結果が山積されていく。

このトラブルクッキングというエッセイを書くための料理なのか
実際の料理のあれやこれやを面白おかしく書いたものかは不明だが
そのなかで、タイ料理と茹でたアスパラガスが上出来だった
というのはどうとらまえてよいものか。

料理は自分はもちろん、他人、家族や友人に振る舞うものであり、
特に友人は大切に感謝の気持ちを持って接せねばと感じる一冊でもあった。

さて、今夜のおかずはなにかな。。。。

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トラブル クッキング
群 ようこ
集英社 1995年

2017年10月18日水曜日

読了メモ 「憧れの女の子」 朝比奈あすか



読了。

タイトルからすると、小学生などに、
いつも気になる女の子がクラスにいて、
斜め前に席があったりすると、
ちらちら見ながら授業に集中できなかったり、
ちょっと話すだけでおどおどしたり、
というイメージだけど、
はてさて本書の中身は全く違う短編集なのでした。

どうしても女の子が欲しくていろいろと産み分け方にチャンレンジして
結局は男4人兄弟ができてしまうのだけれど、それでも笑顔がいっぱいな家族とか。
結婚した男性が主夫となって一緒に生活を始めるんだけど
趣味やお金の使い方、町内会の付き合いのしかたなんかで
なんかどうもぎくしゃくしてしまったり。
都会でピラティスのインストラクターをしてバリバリ働いてるお姉さんが
みるからに弟とアンバランスな鼻にピアスなすっ飛んでる結婚相手を
田舎の両親に合わせるのに四苦八苦。当然ながら結婚を破談にするよう
両親に仕向けられたり。
最後は、最愛の妻を亡くした男が子や孫たちと一緒に
よく夫婦二人で行った温泉にいき、しみじみとしてしまうような。

そんなお話たちなんです。
決して、チョコレートをもらえるかなと淡い期待してたら
明後日の方角からもらえて目が鳩になったりとか
卒業式に女の子にあげる学ランのボタンは何番目がよいかと逡巡するとか
そういうお話ではありません。

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憧れの女の子
朝比奈あすか
双葉社 2013年

2017年10月9日月曜日

写真展終了しました。



今年も無事に写真展を終了いたしました。
お忙しいところお越しいただいたみなさまありがとうございました。
また、次の機会がございましたらよろしくお願いいたします。

きっと、みなさまのところに金運を招くことがありますようお祈り申し上げますニャ。



今年は、ウクレレ型の
アイフォンスピーカーを投入し
週末だけでしたが、活躍してくれて、
BGMをお届けさせていただきました。

 

2017年10月1日日曜日

写真展のお知らせ




こんな開催間近になっての告知で恐縮です。
今年もこの時節になってまいりました。

来週木曜日の10月5日〜9日月曜日の体育の日まで
地元の写真倶楽部合同展に出展いたします。
場所は前年通りの駅から間近なところで。

お時間のございます方、湘南方面にちょっと行ってみようかとお考えの方、
その隙間のお時間にぜひともお運びくださいませ。

今年は満身創痍で臨んでおります!
写真は相変わらずひねておりますけれど。。。
また、読了フォトブックvol.2もできあがりました。
もちろんメンバーの秀逸な作品は例年以上の出来栄えでございます。
よろしければ是非。


2017湘南写真倶楽部写真展VII
Enjoy your photo life
2017年10月5日(木)〜10月9日(月・祝)
10時〜19時(最終日は17時まで)
茅ヶ崎市民ギャラリー展示室
茅ヶ崎市元町1-1 ネスパ茅ヶ崎ビル4階
TEL:0467-87-8384


2017年9月21日木曜日

読了メモ「羊をめぐる冒険」 村上春樹



読了。

今さら羊。でも羊です。
やっぱりこの探し物の話しは面白い。
ここまで活躍してくれた鼠がちょっと残念だけど。

自分の中に羊がいるってことはどういうことなんでしょうか。
混沌の世の中にあって、羊は凡庸の象徴であって、
でもその中でも特殊な羊がいるわけですね。
そこで、自分勝手に急いでいたり不快に思ったりすることがある。
それは苛立ちであり、自らの敗北なんだと。

そんな運転手やら、羊博士やらに諭されながら特別な羊を探していく。
時には、自分から離れて行ってしまう人もいる。
そんな中でも探し物をしていくのが人生なんだという一言がありました。
また、そういう会話が親子でできることの素晴らしさ。

自分はどうかな。
今からでもまだできるかな。

しっかし、いつもビールを2本を頼んでいて
羨ましかったなぁ〜

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羊をめぐる冒険
村上春樹
講談社 1996年