2016年3月10日木曜日
読了メモ「最後の授業 心をみる人たちへ」北山 修
読了。
まずは、コレを。
著者は、この歌で280万枚の日本初のミリオンセラーを打ち出した
ザ・フォーク・クルセダーズの北山 修氏。
他にも「戦争を知らない子供たち」や「あの素晴らしい愛をもう一度」、
「さらば恋人」などなどご存知の通り。
そして、医学博士で精神分析医。
本書は教鞭をとっていた九州大学を退官する時の授業の様子。
フォークル解散後、学問の道に進み、医学博士、精神分析医となり、
大学で臨床心理学を教えていたことなどは全然知らなかった。
本書にある講義の内容は大きく三つ。
「テレビのための精神分析入門」
「私の精神分析 罪悪感をめぐって」
「精神分析か芸術かの葛藤」
将来、心を取り扱う専門家を目指す若者たちへの
きめの細かいメッセージにあふれている。
それは、心理学などもかすったことのない
自分のような素人にもわかりやすく、丁寧に話をされているのが伝わる。
本を読もうにも距離感のあったフロイトのことなども
ぐっと身近に感じることができたのは嬉しかった。
著者がずっと言っているのは、
パーソナル・コミュニケーションということ。
人間一人一人と向き合い、マスコミュニケーションでは取り扱わない、
心の裏を見る覚悟を持てと言っています。
それは厳しさやつらさを感じるときもありますが必要なことなのですね。
では、どうすれば、心の裏に接することができるのか。
その手法の紹介も書かれてありました。
そして、人間が鏡を求める理由は何か。
答えはシンプルなんですが、そこから、
セルフモニタリングという考え方に話が広がっていきます。
中盤は、鶴の恩返しの話から、
罪悪感をキーワードに、自身の精神分析の話になります。
悪かったなと噛みしめているときに、
「私」がいるという感覚を覚える
というのは、結構ショックを受けました。
でも、それを感じることで人間は強くなっていくというのです。
この本、いつかまた読み直してみたいです。
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最後の授業 心をみる人たちへ
北山 修
みすず書房 2010年
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