読了。
表紙に描かれている絵と
登場する「千和」という女の子のイメージは
ちょっと違うと思う。千和はもう少しキリッとしている。
主人公は、古い洋館に雇われたシェフ。
その洋館の主人であるマダムは、スープしか口にしない。
千和はマダムの孫娘で、洋館の中に自分の書庫を持ち、
料理に関するあらゆる本を読破している。
主人公は洋館を訪れる客人のリクエストや
ケータリングサービスに応じたスープを作っていく。
話の章立てもそのスープの名前になっている。
1.ポタージュ・ボンファム
2.ビールのスープ
3.ロートレックのスープ
4.偽ウミガメのスープ
5.せかい1おいしいスープ
ただ、「味がどこか違う」とか「何かが足りない」と言われ、
千和の料理についての豊富な知識や
洋館の執事であり優秀な給仕であるキサキのアドバイス、
料理の材料をすぐに届けてくれるモリノの協力をえながら
主人公のスープはずっと追い求めてきた味に少しづつ近づいていく。
途中、マダムの妹が出てくる。
妹も別の洋館に住んでいて、話の中では、
不思議の国のアリスのハートの女王みたいと書かれているけれど
自分としては、千と千尋の神隠しの湯婆婆と重なる。
執事のキサキと共に、このマダムの妹が後半の展開の鍵を握る人でもある。
著者自身が料理人でもあることから、
洋館のキッチンの雰囲気や細かい描写が目に浮かび、
スープを作るくだりの部分は読んでいるだけで
美味しいスープの香りがただよってきそう。
また、ミステリーのようなハラハラな展開とは言えないけれど、洋館のキッチンの雰囲気や細かい描写が目に浮かび、
スープを作るくだりの部分は読んでいるだけで
美味しいスープの香りがただよってきそう。
探しているスープに徐々に近づき包囲網が狭まっていくところも面白い。
なお、ロケーションは、
湘南地方の別荘地だった頃の面影が残る一角と
書かれていて鎌倉っぽいけど、
自分の感じでは大磯なのかなとも思っている。
湘南地方の別荘地だった頃の面影が残る一角と
書かれていて鎌倉っぽいけど、
自分の感じでは大磯なのかなとも思っている。
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スープの国のお姫様
樋口直哉
小学館 2014年
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