2016年3月23日水曜日
読了メモ「不器用な愛」串田孫一
読了。
エッセイ集ではなく、断想集。
数行しかない短文ばかりなのだが
ひとつひとつの話にスパイスが効いていて
ピリピリッとくる文章もあれば、
3行くらいなのに、ズドンと撃ち抜かれることもある。
以前にも書いたが、自分は本を読む時に付箋紙が欠かせない。
少しでも気になった部分に印をつけておくためだが
本書は、もう付箋紙だらけになってしまった。
何に気を留めたのかがわからなくなるくらいで、
まるで高校生の頃の日本史の教科書のようだった。
それでも、今、こうやってブログを書きながら、一つづつたどっていくと
嚙みしめ甲斐のある文章や厳しい語句に再び会う事ができる。
愛はすべて不器用である。
寂しさは怒りに変わり易い。
またそれ以上に怒りは寂しさに変わり易い。
人生の歩みに緩急はない。廻り道もない。
眠っている間も人は歩き続けている。
暫定的な手段でしかあり得ない諦めに、
いつまでも腰を下ろしているのを羨んではならない。
他にも紹介したい文章や言い回しがもっとあるけれど
キリがないのでこのへんにしておく。
これまで、何冊か著者の本を読んだことがあり
いつも心の底をサルベージされるというか
胸のうちが清く正しい流れのようになる感覚になる。
ハッと気づかされて天井を仰いだり、
まさに気持ちを正されたりすることが多い。
なので、また時を置いてこの人の本は読む事にしたい。
心静かに読むって本当にいいと思う。
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不器用な愛
串田孫一
彌生書房 1995年
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