2020年2月13日木曜日
読了メモ「深呼吸の必要」 長田 弘
読了。
久しぶりに長田さんの詩。
しかも、今回は散文詩である。
長田さんの言葉がいっぱいで嬉しい。
以前から、詩を読む時には、
行間をとても大切にしている。
行と行の間の空白に、
作者の思いがふつふつと湧いてくるからだ。
言い換えれば、
文字になって読めるのは氷山の一角。
自分が詩を読むのが好きになったのは
この行間の妙にあるのです。
それと、少なくとも2回は読む。
詩って、短いので読むとあっという間だけど
一度では味わいきれないし
二度目、三度目と読むと
その行間がまた違った顔を見せてくれる。
先述の通り、今回は散文詩であるので
文字が多く行間が詰まっている。
それでも、やはりこの味わい深さはなんとも言えない。
文字が多い分、水面上に出ている部分が多いわけで
水面下の長田さんの思いが
よりわかりやすい気もする。
今回の詩は、二編からなっている。
「あのときかもしれない」
と
「おおきな木」
いずれも、子どもの成長と
大人の思い入れが読む際のポイントかな。
残念ながら、長田さんは2015年に亡くなった。
もっともっと、長田さんの詩を読みたいと思うこの頃です。
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深呼吸の必要
長田 弘
晶文社 2011年
2020年2月8日土曜日
読了メモ「対話 人間の建設」岡 潔・小林秀雄
読了。
日本の文系と理系の達人お二人による対談....、
いや失礼、対話である。
口絵に出てくる二人の写真の面構えからしても
小林氏が聞き役になっているかと感じる。
事実、大変うまく岡氏の考えを引き出していると思う。
人間の建設というタイトルからして
スタートは学校教育の話からとなっていて、
学問を楽しむように世の中はなっていないのだという。
それを京都の大文字焼きから紐解いていく。
う〜む、のっけから話の進み方が尋常ではない。
自分は「無明」という言葉を知らなかった。
「むみょう」と読む仏教の言葉だそうで、
数学者の岡氏は、この言葉を用いて、
小我をよしとせず、例えとして、ピカソの難しい絵は、
小我を理解させるためには有意義だといっています。
そして、対する大我こそ日本文化の重要な考え方だとしています。
ここで神風特攻隊の話が出てくるので
読み間違えると大変危ないのですが
落ち着いて正しく読み解くことが必要なところです。
世の数学者の先生の方々には、大変失礼ながら、
自分の先入観で、岡氏がここまで奥深く、
事物について達観したお考えをお持ちとは。。。。
自分の発想の閾値をはるかに超えた世界をみた感じでした。
数学はね、最終的には数字や公式で表されるのではないそうですよ。
それは言葉であり、感情で数学は表現することができる。
ということなのだそうです。
すごい世界観ですよね。
小林氏の本は何冊か読んだことがあり、
いつも難解で?がいっぱいでてくるのですが
今度は岡氏の本も読んでみたくなりました。
幸いにも、積ん読には、両氏の本もあることですし
気合を入れて、頃合いを見計って読むことにします。
もちろん、この本も再読しよう。
ちなみに、自分が読んだ本書は1965年発行で
50年以上前の古本ですが、
今でも文庫本で出版されていますので、
気になる方は是非手にとってみてください。
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対話 人間の建設
岡 潔・小林秀雄
新潮社 1965年
2020年1月22日水曜日
読了メモ「海底二万マイル」ジュール・ヴェルヌ
読了。
あ〜、なんでこのお話を
子どもの頃に読まなかったんだろうって
すごい後悔してる。
だって、だって、すごい面白いし、ワクワクドキドキするし、
日本だって出てくるし、世界中の海を渡るし、
なんつったって、ネモ艦長がカッコいい。
ノーチラス号って、ネーミングもいいよね。
ネットで探したらアマゾンでこんな模型を売ってたよ。
かっちょよい!!
ディズニーで映画化もされてた。

登場人物が着る潜水服なんて、
ゴジラの芹沢博士が最後のシーンで潜る時に着るような
ずんぐりむっくりで動きが鈍いはずなんだけど
それで、大きなサメや巨大イカと戦ったりするんだよね。
もちろんピンチがあるんだけど華麗に勝っちゃうわけ。
いや〜冒険活劇ってのはこういうのをいうのだね。
本来は、600ページにもおよぶ大作なんだけれど、
ポプラ社さんは、それをうんと圧縮して
子ども向けに編集してくれたんだそうな。
ちなみに、映画 "Back to the Future Ⅲ" で
ドクとクララが恋に落ちるシーンのキューピット役が
このSFの父であるジュール・ヴェルヌで、
海底二万マイルの話も二人の会話の中にでてくるよ。
二人の間にできる子どもの名前もジュールとヴェルヌだしね。
まだまだ、読み残している本が
いっぱいあるんだなぁと痛感させてもらったお話でした。
みなさんはとっくに読んでますよね。
えっ、まだ!? ならば、ぜし読まないと!!!
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海底二万マイル
ジュール・ヴェルヌ 南本 史 訳
ポプラ社 2000年
2020年1月13日月曜日
読了メモ「ひとりでは生きられないのも芸のうち」 内田 樹
読了。
大好きな内田先生の本である。
相変わらず、内田節が炸裂しており
先生の考え方には大変共感するところが多い。
本書は大きく分けると
・家族の変遷/少子化
・労働とモチベーション
・メディア論/なぜ言ってくれないのか
・グローバル化の果てに
・共同体とはどういうものか
・愛と与え合うこと・死者との会話
各章のタイトルは、きちんとあるけれど
自分が読み終えた後に微妙にキーワードを
つけるとこんな感じか。
「C」が頭文字の某有名ファッション誌を取り上げて
日本が誰に対してもラブリーな唇でウフフな戦略を繰り広げている
という指摘なんかは、そうなのかぁと肯くことしきり。
でもやはり、最後の 愛についての章の
さらに最後に出てくるセンテンスが心に残る。
先生の持論である贈与についての話だ。
I cannot live without you.
先生は、この you にあたる人を増やしなさいという。
赤ちゃんの時は、母親だけだが、成長するにしたがって
増やしていくことが大切な生き方だと。
他の章では、現代の日本の文化や習慣が
こうなってきている、いつのまにか変貌をとげてしまった、
という感じで、どちらかというと批判的というか
この先々を心配されている流れでクロージングをしている。
それは先生自身の嘆きでもあるのであろうが
こういう切り口、視点で現代日本をみることができたり、
見つめることができたりするチャンスをいただけるのは
大変ありがたいことだと思う。
読後には、きっとキャッチボールがしたくなりますよ。
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ひとりでは生きられないのも芸のうち
内田 樹
文藝春秋 2008年2月
2020年1月6日月曜日
読了メモ「暮らしの哲学」 池田晶子
読了。
2020年の一冊目は、「哲学」です。
タイトルは「暮らしの哲学」
あの「14歳からの哲学」を著した池田晶子氏の
哲学エッセイです。
なので、お気楽に読んでも大丈夫かなと思って
ちょっと気を許すと、はて....、何の話だったっけと
中身を見失うことしきり。
やはり哲学「書」を読むときは
心して一言一言を考えて読まなければいけません。うむ。
現象の本質を考えるのが哲学なのです。
典型的な命題として下記があります。
どう生きるかではなく、生きるとはどういうことなのか。
本質である後者の問いを識ろうとするのは
前者の問いの現象を知るためなのだからということだそうです。
現象と本質が別のことであるわけがないのだからだそうです。
よいですか。
読み進めていくと、数の不思議から無と無限を考え
言葉の不思議から宇宙の存在を考えていくことになります。
言葉が人の心を動かすことの凄さ、
人の心はそのまま宇宙であるから、
言葉は宇宙を変える魔法ではないか。
とまで言い切ってくれます。
すごいです。
また人を動かしているのは思想やイデオロギーではなく
「好み」という主観であると。
これはなんだか、わかりやすい気がしますね。
そして幸福とは一体何かの価値転換を
なるべく早い年齢のうちにはかっておくことが大切だそうです。
年をとってからでは難しいそうで.........、あれ?
まぁ、タイトルに絆されて本棚から手に取ったのですが
新年早々、お餅を食べながら、
黙考し、頭をかなり使った一冊だったのでした。
若くして亡くなられたのが、大変残念な思いのする方の本でした。
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暮らしの哲学
池田晶子
毎日新聞社 2007年
2019年12月30日月曜日
読了2019
なんと、少ない!
タイトル数にして12。
冊数では14冊。
実はここにはリストアップしていない
読了本もあと3冊ほどあるにはあるのですが、
ちょっと不釣り合いなので省いてしまいました。
電車の中で読み始めると眠くなったりとか
他にやらねばならぬこととの時間のやりくりが下手だったり
言い訳になってしまいますが
ちょっと不甲斐ないなぁ。
2020年はもう少しは読みたいと思います。
一応、スライドショーにもしてみましたが
50秒で終わりますw。
■オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下
著者:オリバー・ストーン
読了日:1月14日
■オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史: 2 ケネディと世界存亡の危機
著者:オリバー・ストーン
読了日:1月27日
■オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史: 3 帝国の緩やかな黄昏
著者:オリバー・ストーン
読了日:2月17日
■虹の岬の喫茶店
著者:森沢明夫
読了日:2月21日
■小説 言の葉の庭
著者:新海誠
読了日: 2月28日
■小鳥がうたう、私もうたう。静かな空に響くから
著者:カヒミ・カリィ
読了日:3月6日
■図書館奇譚
著者:村上春樹
読了日:3月11日
■ネコとクラリネットふき
著者:岡田淳
読了日: 6月9日
■新編 子どもの図書館〈石井桃子コレクションIII〉
著者:石井桃子
読了日:9月4日
■湘南に愛をこめて
著者:加山雄三
読了日: 9月14日
■似顔絵物語
著者:和田誠
読了日: 10月13日
■海色の壜
著者:田丸雅智
読了日:12月16日
■季節配達人
著者:田丸雅智
読了日: 12月16日
■明日の明日の夢の果て
著者:小松左京
読了日: 12月24日
2019年12月25日水曜日
読了メモ「明日の明日の夢の果て」 小松左京
読了。
著者の小松左京といえば、
「日本沈没」があまりにも有名ですが、
短編SFも人間社会の未来に警告を発する
お話がいくつかあります。
本書は、1972年出版なので
時代背景的には、もはや古めかしいのですけれど
当時から、こんな視点、切り口で
作品を書いていたのはやはり驚きではあります。
まさにこれから本格化しようとしている
キャッシュレス時代を描いた
「プライベート・マネー」
キャッシュレスは全てのお金の流れがコンピュータで
捕まえられてしまうので、キャッシュを使えば
誰にも文句を言われないというお話。
唾液と血液で個人認証するクレジットカードが
実は、自分の魂、果ては家族の魂までもを
担保にしているという悪魔の操る
「黒いクレジットカード」
タイトルにもなっている
「明日の明日の夢の果て」では
縄文時代で栄養失調で死にそうなお爺さんが
夢を見るたびに、自分の子孫の未来の時代に
タイムスリップしていき、世の中は
豊かになり、争い事もなくなってきているけれど
自分の居場所がないことを悟り
森の中でロボットに連れられて
息を引き取るというなんともやりきれないお話。
人間相手ではセックスができなくなってしまう
エロいお話もあったりして
それは、ここでは省きますが、
人間のエゴというか
人間ってつくづく勝手な生き物なんだなぁ
と切なくなるお話ばかりです。
新年を良き年とし、少しでも人間らしく
生きていくためにいかがでしょうか。
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明日の明日の夢の果て
小松左京
角川書店 1972年
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