読了。
「暇と退屈の倫理学」
國分功一郎著
新潮社 2022年
ゾワゾワするスリラーもの。本書の半分近くまでが、表紙の装丁にみえるように車内の二人だけの会話からなっている。行き先は彼氏の両親の家。そして彼女はもう二人の関係にピリオドを打とうかと考えている。車内には不穏な雰囲気が充満する。
両親の家は、豚や羊、鶏もいる農家の一軒家。家が見えてくるが、どうやら二階の窓辺に髪を伸ばした女性の姿が見える。母親らしい。彼女は下から手を振るが、夜で暗いため二人の姿は二階屋からは見えないようだ。家に入ると広い部屋に通される。両親の姿はなく部屋はストーブの薪がはぜる音が響く。飾ってある白黒写真に写っているのは自分だと彼はいうが、どうみても髪の長い女の子だし、そもそも写真が古すぎる。料理が準備された食卓の部屋に入ると、両親は少し遅れてひとりづつ部屋に入ってくる。
両親宅からの帰り道、再び車内の場面。夜の雪道、廃校となった彼の母校の前で車を停めるが、ここで異変が。誰もいないはずの校舎から誰かが自分たちのことを見ているのだ。彼は校舎の中に入っていくがなかなか帰ってこない。彼女はたまらず彼を探しにいくが、戻ってくると車がなくなっていた。。。
話の合間、合間に、どうやら刑事が現場調査をしている場面の会話が挿入されている。刑事たちの会話から察するに殺人事件らしい。クローゼットから遺体が発見されたようだ。
最後まで、終始不穏な雰囲気がただよう。猟奇殺人を連想させるようなところもあり、落ち着いて読んでいられなかった。帯には二度読み必至とあったが、自分はもう怖くて読めない。。。
ミステリーの古典。
世界最初のミステリー小説と言われる「モルグ街の殺人」を含め、
全11編が収録されています。
いったいどんな展開になるのだろう…、
現代のミステリーとはちがったどことなくお洒落な雰囲気が漂う作品なのかな
と思いきや、え〜!こんな結末だったのかぁ〜〜〜と驚き!
途中の謎が謎をよぶ展開では、どんな解決を見せてくれるのかドキドキするし、
現場に現れた人物の証言を一つづつ整理しての検証も
読む側を引き込んで没頭させてくれます。
が、よもや真相が。。。。
ある意味、ありえないどんでん返しといえるかもしれません。
ほかの謎解きというかファンタジックなお話は、
どちらかというとエログロナンセンス系でした。
日本の平井太郎さんが感銘を受けて
ペンネームにポーの名前をもじって使ったこともうなずけるものばかり。
ミステリーの謎解き役には、
頭脳明晰な探偵と少しとぼけてるけど行動力のある相棒がでてくるという
いまのミステリーでも定番の人物設定ができあがっていました。
これものちの明智小五郎や小林くんにつながっていくんだろうなと思いました。
表紙の装丁もロートレックとお洒落な感じですが、
中身は江戸川さんチックなお話ばかりです。
お話だけではなく詩が3編ほど収録されており、
翻訳も絶妙で不思議なリズムと音韻の響きが不穏な雰囲気を醸し出してもいます。
暗号解読の「黄金虫」というお話も面白かったなぁ。
未読な方は是非。