2014年9月15日月曜日

不道徳教育講座

週刊明星に連載されたコラム。

最初のうちは、「教師を内心バカにすべし」
「友人を裏切るべし」 「女には暴力を用いるべし」
なんてのが出てくるが、後半はやや哲学チックになる。

昭和30年代にしては過激なタイトルが並び、
どんな論戦かと思って読むと、意外にもくだけてて
著者のお茶目な一面が覗けて面白い。
剛健な固いイメージを著者に持っていたけど、ここでは全然違う。

それでも、切れ味ある言い回しがいっぱい。
「少年期の特徴は残酷...(中略)...やさしさというものは、
大人のずるさと一緒にしか成長しない」
「陰性の己惚れ屋が嫌い」
「他人の不幸を平気で見ていられる程に強い」とか。
また、「やっちゃえ!やっちゃえ!」を
「殺っちゃえ!殺っちゃえ!」と書きつつ明るく読ませるのもさすが。

なかでも、唸ってしまったのは、次のくだり。
フランス革命のマリーアントワネットの失言を引き合いに出し、
「人間の意志のはたらかないところで起きる小さなまちがいが、
 やがては人間とその一生を支配するというふしぎは、
 本当は悪や罪や不道徳よりも、本質的におそろしい問題なのであります。」
だそうです。


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