2014年7月3日木曜日

科学以前の心

著者は人工雪を世界で初めて作った人。戦前、戦中、戦後を通じた科学者のエッセイ。と言っても、難解な数学や理論物理の話ではない。戦前に天皇陛下へ人工雪の実験を披露する苦労話に始まり、子供たちに話す失われた世界とシーラカンスの話、苔寺に差し込む陽の光の暖かみの描写。なにかをするまえにちょっと考えてみることが科学であり、科学は善いも悪いも、きれいも汚いもない。いわんや偉いだの下賎だのは....。今の時流にそえば、こんなメッセージがあった。原子力の解放が人類の文化の滅亡を来すか、地上に天国を築くか、それを決定するのは科学ではなく人間性である。で、こんな歌詞を思い出した。「心を忘れた科学には、幸せ求める夢がない 心を忘れた科学には、地獄の夢しか生まれない」

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